オスグットの痛みはつらいものです。あの痛みは決して仮病なんかではありません。
できるなら痛みが出ないように日々を過ごしたいものですが、オスグットは病院で成長期が終わるまで治らないと言われ、
予防といっても何をしたらいいのか、具体的にわからないという方も多いかもしれません。
そこで今回は、オスグットの予防につながる習慣や注意点について具体的にご紹介します。
日常生活から改善する!オスグッド予防
生活習慣の中に取り入れられる予防策があったら、ぜひ試してみたいと思いますよね。
そこで、ここからは日常生活から考えるオスグットの改善策についてご紹介します。
正しく地面を蹴る習慣を付ける!
これは当院に来院された方には口酸っぱくゆうことですがオスグット予防で一番重要なのが、正しく地面を蹴ることです。
意外に感じる方も多いかもしれませんが、地面を蹴るときのフォームの崩れは要注意。
正しい地面の蹴り方は、足の親指の付け根できちんと蹴ることです。加えて、土踏まずの部分に身体の重心が乗っているかも意識してみてください。
この正しい地面の蹴り方を習慣付けると膝への負担が少なくなり、オスグットの痛み予防につながります。
座り方に気をつけよう
正しい座り方は、坐骨に体重がかかるようにすることです。
座ったときに頭からお尻までが真っすぐになる姿勢が良いとされています。お子様の座り方を一度、チェックしてみてください。
坐骨以外の箇所に体重が乗っていると、不安定な座位になり、骨盤の歪みからさまざまな不調が起こります。
オスグットの痛みを軽減する・予防するためにも正しい座り方を心がけましょう。
アイシングはどうなの?
オスグットによる痛みがあるときにアイシングが効果的と思い、積極的に冷やす方も多いのではないでしょうか。
練習後に痛みがある場合冷やすことはOKです。
アイシングを行うときは、痛みを感じる部分や痛みがあった部分を手の甲で触れてみて「熱い」と感じた場合に冷やします。もしくは、膝のお皿といったオスグット部位を周辺の皮膚と比べて熱かった場合に冷やすと効果的です。
しかしアイシングは炎症を起こしている場合熱を取るために効果的ですが、一時的に行う対症療法だということを忘れないでください。
痛みのある局所的には冷やしてOKですが、全身は温めて血行を良くしないといけません。
正座やしゃがむ習慣を!
現在ではほとんどのご家庭が洋式トイレとなり、和式便所を知らない子どもたちも増えてきました。そんな生活環境の中で、しゃがむ=蹲踞(そんきょ)の姿勢を取ることは少なくなっています。
また、オスグットが原因で正座ができない子どもも増加中です。オスグットが原因ではない方の多くは、足首の柔軟性を欠いているためにうまく正座ができません。
しゃがむ、正座といった姿勢は足首の柔軟性を高めてくれます。
足首の柔軟性を高めることは、オスグット予防には効果的です。
こういったことから、日常生活の中でしゃがむ姿勢や正座をしておくことも大切といえるでしょう。
食生活で気をつけること
オスグットというと成長期の痛みと結び付けられ、どうしても骨を強める“カルシウム”の摂取に注意を引かれがちですが、身体を構成する大事な栄養素である“タンパク質”の摂取も重要なポイントです。
基本的な事ですが“バランスの良い食事”を“規則正しく摂取する”こと。
「朝ごはんを抜く」「夕食の時間がまちまちになる」といった不規則な食生活は避けましょう。
加えて、お菓子やジュースなど、白砂糖の入ったものを控えるのも大切です。
その理由として、糖がタンパク質と結合して糖化反応という化学反応を引き起こし、この化学反応で作られた物質によって身体が硬くなることが挙げられます。
身体が硬くなると、怪我につながります。
ストレッチの注意点
硬くなった筋肉を柔らかくするために、オスグット予防にはストレッチが効果的といわれていますが、ストレッチをする際にも注意点があります。
それは、痛みを感じながら行ってはいけないということ。
どんなに効果的なストレッチでも、痛みがある状態で行ってはいけません。痛みは身体に負担をかけるばかりでなく、筋肉をこわばらせ逆効果になることもあります。
オスグット予防に効果的なストレッチは、膝に関わる筋肉を柔らかくするためにおこなうもの。
しっかり呼吸をしながら、ゆっくり筋肉を伸ばすような感覚で行うのがオススメです。
ストレッチを行う際に特に重要な筋肉として、
腸腰筋、大腿四頭筋、梨状筋
が挙げられます。
これらの筋肉を意識してストレッチを行うといいでしょう。
腸腰筋(大腰筋)のストレッチ
股関節の全面が伸びているのを感じながら行って下さい。
大腿四頭筋のストレッチ
画像の様に真似てやってみて下さい。
座ってやってもOKです。
梨状筋のストレッチ
図のように行い、お尻の筋肉が伸びているのを感じながら行って下さい。
こんなときは危険信号!
オスグットで多少の痛みがあっても寝て治る状態であれば、スポーツをしても大丈夫です。部活やサッカーなどプレーを続行してもいいでしょう。
しかし注意したいのが、「3日寝ても治らない痛み」です。
もし3日経っても痛みがひかない場合には要注意です。
睡眠による回復範囲を超えているので、十分な休息を取ったり専門家に相談したりするなどのケアが大切になってきます。
まとめ
オスグットは成長痛といわれ、この時期が終わらないと考える方も多くなっています。
しかし、オスグットは正しいケアをすれば治ります。
オスグットの痛みが続くときや、痛みが強いケースでは休息を取るだけでなく、プロに相談し判断を仰ぐことも重要です。
お子様の大切な時期を無駄にしないためにも、早め早めの行動を取るようにしてあげて下さい。