パソコンやスマホは私たちの生活を便利にし、生産性を上げるために大変有効なツールです。
しかしモニターやスマホの小さい画面を長時間凝視することで、目の疲れを感じる方が増加しています。
目の疲れが蓄積すると、眼精疲労という頭痛や吐き気、肩こりなどを伴う重い症状が出てしまう可能性も否定できません。
そこでこの記事では、眼精疲労の原因とその解消方法について、詳しくご紹介していきます。
目の疲れで起こる頭痛とは?
しばらく休んだり睡眠をとったりすると回復する疲れ目とは異なり、疲れ目が蓄積した眼精疲労になると、頭痛や吐き気などを発症することも。
眼疲労から起こる頭痛には次のような種類があります。
緊張型頭痛
緊張型頭痛とは、最も一般的な頭痛のタイプ。
痛みは首、後頭部、目など広範な部位の筋肉に広がります。緊張型頭痛の原因にはさまざまな要素があり、眼精疲労の他にも悪い姿勢やストレス、睡眠不足などが考えられます。
緊張型頭痛の症状は、ほぼ毎日痛みがある、頭全体もしくは後頭部の痛み、拍動の無い均一な鈍痛が続く、頸を回した時にめまいを感じることがある、肩こりを伴うなどです。
緊張性頭痛は、頭と頸の筋肉の緊張によって引き起こされることがあり、
眼精疲労による肩こりが原因で、頭痛を発症するケースがあると考えられています。
片頭痛
片頭痛とは、頭の片側のみに発作的に発症する頭痛で、脈打つような痛みの変化を伴います。
片頭痛の発生機序は明らかになっていませんが、ホルモンなどの分泌物質と血管系によるという説や、神経系の分泌物によるという説、その両者が相互に影響しているという説などがあります。
片頭痛の原因は眼精疲労の他にも、アレルギー反応やストレス、喫煙、食物由来の影響などさまざまです。
緊張型頭痛と同様、眼精疲労による肩こりでも引き起こされるケースもあります。
頭痛以外に起こる”吐き気”と”肩こり”
眼精疲労になると頭痛以外にも吐き気、肩こり、視界のかすみ、めまい、倦怠感などさまざまな症状が表れます。
ここでは眼精疲労によって引き起こされる、吐き気と肩こりの原因や対処方についてご説明します。
眼精疲労で起こる吐き気の原因
眼精疲労の原因には次のようなものがあります。
- パソコンやスマホの見過ぎによる眼の疲労の蓄積
- 緑内障や白内障など目の病気
- 老眼や近視及びそれらの解消のためにつけているメガネやコンタクトレンズの度が合わない
- ストレスなど精神的な要因
- その他身体疾患による影響
眼精疲労で吐き気を感じる時には、実はストレスなどの精神的な要因であることが多いとされています。
眼精疲労で起こる肩こりの原因
眼精疲労によって起こる肩こりの原因は、パソコンやスマートフォンを見る際の姿勢のせいかもしれません。
目の疲れがたまるとピントが合いにくくなり、視力が低下するため、よりはっきりと画面を見ようと前のめりになったり、頭の位置が下がったりします。
人間の頭は重いので、バランスの崩れた姿勢を保とうとすると、負荷のかかる肩の筋肉に疲労がたまって肩こりが起こります。
この筋肉の疲労や硬直は緊張型頭痛の原因になるため、早めの解消が重要です。目の疲れを感じた際には休息をとり、視力の回復や疲れの解消に努めましょう。
視力の悪い方や乱視の方は要注意
視力の悪い方や乱視が強い方も、眼精疲労になりやすくなっています。
視力の悪い方や乱視の方は、モノをハッキリ見ようとするため、ピントを合わせようと、目の周りの筋肉や神経の緊張状態が続いているからです。
この緊張状態が目の疲れを誘発し、眼精疲労を起こしてしまう原因に。
ご自分の視力にあった矯正をした、メガネやコンタクトにするのが有効です。
目の疲れを解消する方法6個
眼精疲労になる前の段階で、目の疲れを解消していく方法はないのでしょうか。
ここからは、疲れ目を解消するための、日常生活で簡単に取り入れられる方法を6つ挙げてご紹介します。
温冷のアイパックを使い分ける
目を酷使したことによる眼精疲労は、目の周囲の筋肉の疲れや症状を和らげることが重要です。
温めたアイパックや濡れタオルなどで目の周囲を温めると、血行を促進し血行を良くすることで、疲労物質を除去したり筋肉のコリをほぐしたりできます。
逆に、患部を冷やすと筋肉の炎症を抑えたり、充血を抑えたりする効果が期待できます。
疲労の初期には温めて早い回復を促し、充血のひどいときやコリを通り越して炎症を起こしている場合は、幹部を冷やすなど症状に応じて使い分けましょう。
スマホを見ない時間を作る
眼精疲労に大敵なのが、スマホやPCだということをご存知の方も多いかもしれません。
特にスマホは今や、わたし達の生活に欠かせないものになっています。スマホを見ない時間を作ることが、目の疲れを軽減し、眼精疲労の解消につながるのです。
一日の中で時間を決めて、スマホを見ない時間を作ってみてはいかがでしょうか。
最初の頃はスマホを見ない時間を作るのは無理だと、感じるかもしれません。
しかし、決まった時間を作ってしまえば、意外と不便を感じることなく生活できるもの。スマホを見ることで起こる、肩のこりや頸のこりも軽減されます。
栄養で改善する
眼精疲労の回復に効果があるとされる栄養素には下記のものが挙げられます。これらの栄養を含む食事をバランス良く摂取することで、疲労回復が期待できます。
■アントシアニン
視覚情報を伝えるたんぱく質である「ロドプシン」の再合成をサポート。夜間の視力アップや眼精疲労の回復にも効果が期待できます。
■ビタミンA
涙を生成するときに重要な働きをして、粘膜の形成や修復を助ける作用があります。ムチン層という涙の一部の生成に働きかけるとされています。
■ビタミンB群
ビタミンB群は特に目に関する、さまざまな働きが期待できます。下記にまとめてあるので、参考にしてください。
〇ビタミンB1:目の周辺の筋肉の疲れを和らげる
〇ビタミンB2:目の粘膜を正常にする働きがある
〇ビタミンB6:水晶体の代謝と免疫機能を高める働きがある
〇ビタミンB12:視神経の機能を正常にする働きがある
■ビタミンE
ビタミンEによる、血行促進作用で疲れ目やドライアイの防止に効果的。また、老眼予防にもよいとされています。
■亜鉛
視神経の伝達をサポートします。亜鉛の不足によって、目の機能低下の原因となることがあるようです。また、皮膚や粘膜の健康維持を助ける役割も担っています。
マッサージをする
ストレッチと同様にマッサージによって、疲労回復を行いましょう。
こりの発生している頸、肩、後頭部、背中、目の周辺などを重点的にマッサージし、血行を促進して疲労物質を除去します。
マッサージのし過ぎは、もみ返しなどによって痛みを感じることもあるので、回数を決めて行う、間を空けて行うなどやりすぎにも注意しましょう。
アルコール・暴飲暴食を避ける
アルコールを飲むと血流が良くなった気がするのは、ほんの一時のこと。アルコールによって、肝臓が疲労して血液の循環が悪くなってしまいます。
また、肝機能が低下すると、目の周囲への血流が低下して、疲れ目の悪化や視力の低下などの目の不調を感じます。この状態になると、目を使用していなくても眼精疲労に陥ります。
暴飲暴食は生活のリズムを乱すだけではなく、胃腸や肝臓などの臓器を疲れさせ、更には疲れ目を悪化させる要因に。
アルコールの過剰摂取や暴飲暴食と疲れ目の関係性を理解して、これらを避けるような生活を送ってくださいね。
ツボ押しをする
眼精疲労で起こる、各部位の痛みにはツボ押しも効果的。
有効なツボとして、
「風池(ふうち)」
「太陽」
「承泣(しょうきゅう)」
の3つが代表的です。
疲労に有効なツボに関しては、専門家の意見を参考にするといいでしょう。
まとめ
目の疲れがたまると、目だけでなく心身ともに影響のあるさまざまな症状を発症してしまい、疲労の蓄積が抜けなくなるという悪循環に。
眼精疲労にともなって併発する肩こりや吐き気などの症状に気付いたときには、早めの休息や症状を緩和するための対策をとって、疲れをリセットするように心がけてください。
また、メガネの度があっていない、ストレスが溜まっているなど、目の使い過ぎ以外の要因で眼精疲労の症状を起こしている場合もあるため、本当の原因が何なのか良く考えて、原因を取り除くようにしてくださいね。