坐骨神経痛の原因となる様々な病気の症状

―化膿性脊椎炎―

脊椎の脊髄が黄色ブドウ球菌などに感染して炎症を起こし化膿する病気です。

糖尿病・がん・肝臓病・ステロイド薬を使用している人に発症しやすい病気と言われています。

 

脊椎が細菌によって破壊されるので、激痛が起こり炎症がひどくなると背中を曲げることができなくなります。

安静にしても痛みはおさまりません。

 

―脊椎カリエス(結核性脊椎炎)―

結核菌に感染した脊椎炎を脊椎カリエスと呼びます。

病気が進行すると脊椎が破壊され、変形をきたします。しかし破壊の進行が遅いので、腰痛が比較的軽く、慢性症状となる事も多くあります。

 

―骨粗鬆症が原因の圧迫骨折―

骨粗鬆症は、骨の内部がスカスカになり、強度が低下して骨がつぶれたり、骨折したりする病気です。

骨粗鬆症の主な原因は、カルシウム不足と骨の微細構造の変化により、骨がもろくなることです。

骨がもろくなることで椎骨がつぶれることを脊椎圧迫骨折といいます。

 

脊柱管を形成している椎骨がつぶれて馬尾や神経根を圧迫すると、腰痛や坐骨神経痛をまねきます。

 

―脊椎や骨盤の腫瘍―

原発性腫瘍、馬尾腫瘍など脊椎や馬尾に腫瘍ができると、腰痛や坐骨神経痛が起こります。

また、他の臓器にできたがんが血液やリンパ液によって脊椎や骨盤に運ばれて転移すると、腰痛や坐骨神経痛の要因になることもあります。

 

―梨状筋症候群―

坐骨神経は梨状筋の中を通って下肢に向かっているので、梨状筋によって坐骨神経が締め付けられると

坐骨神経痛が発症すると考えられています。

 

―婦人科の疾患―

女性の場合、子宮内膜症、月経不順、月経困難症、冷え性、更年期障害など女性特有の疾患が原因で、下肢痛や腰痛をまねくことがあります。

 

また妊娠の影響で下肢痛や腰痛をまねく場合もあります。

 

―内蔵の疾患―

乳がんや胃がん、肺がんや腎臓、前立腺、直腸がんなど、内蔵の悪性腫瘍が脊椎や骨盤に浸潤や転移することで

腰痛は坐骨神経痛をまねくことがあります。

 

―神経の病気―

・多発性神経炎・・感覚神経、運動神経、自律神経の末梢神経が炎症を起こす病気です

・総腓骨神経麻痺・・坐骨神経を形成している2つの神経のうちの1つが総腓骨神経です。

この神経が太もも下部、膝下の足の外側、足の外側、足先まで支配しているため、総腓骨神経に障害がおこると

足の膝下から足の甲にかけてしびれや痛みが走ります。

 

―脊髄腫瘍―

脊髄に腫瘍ができると 両方の下肢にしびれや麻痺が起こります。

 

―馬尾腫瘍―

馬尾に腫瘍ができると、激しい下肢痛や腰痛が起こります。

椎間板ヘルニアの症状と似ている事も多いです。

 

―血管の疾患―

・閉塞性動脈硬化症(ASO)・・全身に起こった動脈硬化が原因で、両足への血流が損なわれ、慢性的に酸素不足

栄養不足になって歩けなくなったり筋肉が痛んだりする病気です。

閉塞性動脈硬化症は歩けなくなった時に、立ったまま休むだけで痛みがなくなり、歩けるようになります。

坐骨神経痛の場合は 座ったり、前かがみになったして脊柱管を緩めないと足の痛みやしびれはなくなりません。

 

・パージャー病・・閉塞性血栓血管炎で 足の動脈が血栓でつまり血流が悪くなる病気です。

血流が悪くなることで 足や足の指がしびれたり、冷たくなったりしてて、歩いているうちに足が痛んで歩けなくなるなどの症状が出ます。

 

・大動脈瘤―心臓から送り出された血液は、胸部から腹部に下っている大動脈を流れてそこから全身に枝分かれしていきます。

その大動脈が動脈硬化や炎症を起こし、コブのようになります。動脈瘤の血管壁付着していた血栓がはがれて

足の動脈に流れ、血管をふさいで血流が悪くなるために 下肢にいびれや痛みがあらわれる事があります

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