歩く。
これは人間の基本動作になります。
若い頃は当たり前でそのありがたみに気付いていないことが多いですが、年をとって歩くことに支障が出て来ると、そのありがたみがとてもよくわかります。
健康寿命を長くするために、歩くということをテーマに書いていきますが
今回は「足の踵」
をテーマに書いてみたいと思います。
まずは靴底でチェック!減り方でわかるあなたの歪み
まず、自分がどのくらい歪んでいるかチェックしてみましょう。
皆さんが履いている靴を見れば一目瞭然!
あなたの靴の踵の外側だけが大きく減っていたり、逆に内側だけが大きく減ったりしていませんか?
その踵の減りこそが何よりの証拠です。
踵の外側だけが減っている場合
その場合は踵が内側に歪んでしまっている状態です。
がに股で歩く癖や、猫背で背中を丸めて歩く癖がついてしまっている方、O脚の方の踵などは内側に歪んでいる可能性があります。
踵の内側だけが減っている場合
この場合は踵が外側に歪んでしまっている状態といえます。
内股に歩く癖がついている方や、X脚の方の踵は外側に歪んでいる傾向があります。
外反母趾で悩んでいる方もこのタイプが比較的多いです。
踵が整えば、首・膝・腰の痛みも改善する
歩き方については色々な説がありますが、ここではオーソドックスな歩き方をお伝えします。
正しい歩き方は
- 思っているより歩幅を広く取り大股気味で
- 踵から地面に接地し、親指の付け根で地面を蹴る
- 腕を真後ろに引くことを意識して、肩甲骨が動くように腕を振る
という3つのポイントを押さえた歩き方を意識してみて下さい。
多くの方は踵が歪んでいるので足元が真っ直ぐになっていないし、そのことに気付いていません。
なので歩くたびに体全体の軸が歪んでいき、筋肉のバランスは崩れ、
無理して使った筋肉が過緊張して、首・肩・腰・膝の痛みに繋がっていきます。
踵の歪みが足腰を弱らせる
いくつになっても自分の足で元気に歩くためには、足腰を鍛えることは大変重要な事になります。
・階段の上り下りがつらい
・今までは大丈夫だった坂道も辛くなってきた
・膝が不安で外出をセーブしてしまう
年齢を重ねていくと、こういった足腰の衰えを感じる事も多くなってくるのではないでしょうか。
こうした足腰の衰えを防ぐ意味でも踵の歪みは関わってきます。
踵の歪みが進むと、足首の可動性が減り、完全に伸ばしたり曲げたりすることが制限されてきます。
すると当然足の安定性や可動性は損なわれていき、歩くたびに痛みやしびれといった症状とつながっていきます。
不快な症状があるから歩く量が減る。
歩く量が減るからさらに足腰が弱まる。
といった悪循環に陥ってしまうのです。
踵の歪みは日頃の立ち方や歩き方などの生活習慣や筋力の低下などが原因になります。
日頃の姿勢や歩き方をもう一度見直してみましょう。
正しい歩き方を身に付ける
歩くことは人生の基本。いつまでも若々しい健康な体を維持するのに欠かせません。
健康のために万歩計を買って一日一万歩を目指している方も多いと思います。
ですが、あなたの踵が歪んだ状態で歩いているとかえってやり過ぎは体を傷めるきっかけになるかもしれません。
気軽にやれるウォーキングといえど、そのフォームは大切です。
正しい歩き方の基本は3つ。
①歩幅を広く取り大股気味に歩く
②かかとから地面に足をつき親指の付け根で地面を蹴り出す
③腕を真後ろに引くことを意識し、振り子ように振って歩く
①やや大股で歩くことは大腰筋や腸骨筋などの骨盤の周りの筋肉が使われ骨盤が安定します。
②さらに足の親指で地面を蹴る習慣がつくと踵の歪みが減っていき、アキレス腱や足底筋膜、後脛骨筋などの筋力アップにつながります。
③腕を大きく振ることで肩甲骨の可動性が増し、猫背などの姿勢改善になることが足への負担も減らしてくれます。
もし間違った歩き方を続けていれば、いくら頑張っても効果が得にくいですのでぜひ歩き方チェックはしてみてください。
歩き方が変われば免疫力も上がる!
歩き方が変われば免疫力が高まると言われてもその関連性をイメージすることは難しい方もおられる事かと思います。
実は免疫力が低下することに関係するのが自律神経の存在です。
多くの方が自律神経の乱れというワードは聞いたことがあるかと思います。
ですが、自律神経はどんなものですか?と問われると上手く答えられない方もおられるのではないでしょうか。
自律神経は循環器や呼吸器、消化器などの活動を維持するために休むことなく働き続ける神経です。
その働きは交感神経と副交感神経とにわかれ、人間が活動することと、休息して疲労を回復することを役割分担で行っています。
しかし、日々の生活習慣や仕事のストレスなどでバランスが崩れてしまうとこの自律神経のバランスが乱れてしまうのです。
自律神経の乱れには悪い姿勢というものもつながってきます。
悪い姿勢とは本来正常であれば使わなくてもいい筋肉を姿勢を保つために使うことになってしまい、筋肉の過緊張状態をうんでしまいます。この緊張状態が慢性的に続くことが自律神経に負担をかけるのです。
歩き方が変われば姿勢改善にも効果的です。その結果筋肉の緊張が改善され自律神経がととのい、自律神経が整うと免疫力が上がっていくのです。
歩き方が変われば腰痛・膝痛も改善する!
平成22年に行われた国民生活基礎調査によると男性が主に感じる痛みの自覚症状の1位は腰痛、女性は肩こりが1位、腰痛は2位という結果でした。
また膝の変形性膝関節症にお悩みの方は約2500万人と言われています。
腰痛の主な原因は
〇腰周りの筋肉に過度の負担がかかり、バランスが崩れることで痛みが生じる
〇内臓の疾患から痛みが起こる
〇腰椎などの骨の異常から起こる
という3つのカテゴリーがあります。
この中で今回注目するのは腰周りの筋肉に過度の負担がかかることで発生する痛みについて。
長時間同じ姿勢を続けると筋肉が緊張し、そこから歪みが生じ痛みが起こります。
体の左右でバランスが崩れてしまうと立っているだけでも重心が偏るようになりさらに骨盤の軸も歪むため腰痛に発展してしまいます。
また膝の痛みも腰の痛みと同じように体の歪みが原因となって起こるものがあります。
例えば椅子に座った時に足を組んだり、バックを一方の肩にばかりかけたりといった習慣で体が歪み、それが膝の痛みとつながるケースもあります。
このように腰や膝の痛みの原因は体の歪みが大きく関わっています。
腰や膝の痛みに対してそれぞれの部位のマッサージを行ってもいいですが、根本改善には至らないこともあります。
踵の歪みを整えると、歩く姿勢が良くなりますからそれだけで自然とバランスが整うことが期待できます。体の土台である踵が歪んでいたら歩くたびに歪むサインを体に送ってしまうことになります。
踵が内側か外側に歪んでいないかをチェックして歪んでいる場合は対策が必要と言えるかもしれません。
踵が整うとその他の足のトラブルにも効果的!
足は通常、前を向いてまっすぐ立った時
くるぶし、ふくらはぎ、ひざ、太ももの内股がくっついています。
その状態で両ひざの間に隙間が出来ると一般的にはO脚と言われます。
日本人女性の8割から9割はO脚であるといわれていて、足のお悩みランキングの上位になっています。
O脚になる人は踵が内側に歪んでいる人が多いです。
踵が内側に歪むと体重はバランスを取るために足の外側にかかります。
そのため、太ももからふくらはぎにかけて足全体が外側に向けてOの字のような曲線を描いてしまうので膝に隙間ができてしまうのです。
また踵が逆に外側に傾くとO脚とは違い重心が内側にかかります。
すると重心は足裏の内側にくるので足は親指側でバランスを保とうとして土踏まずの部分が低くなり、
過度に膝がくっつくX脚という状態になります。
O脚やX脚は膝、足首にねじれのある状態ですから、
単に見た目の問題だけでなく腰や膝に痛みを起こす原因にもなります。
踵の歪みが解消され正しい歩き方が出来るようになると下半身が真っすぐに見えるようになるだけでなく、
それが原因の痛みや変形の予防にもなるのです。
足のむくみ、疲れが改善する
夕方になると靴がきつくなったり靴下の跡がついたりという経験は、多くの女性が体験したことではないでしょうか?
足のむくみは足に疲れやだるさを感じさせるだけでなく、靴下の跡がなかなか消えなかったり足が太くなったりするなど見た目にも影響があります。
ではなぜ夕方になると足が一時的にむくんでくるのでしょうか?
それは足は心臓から遠く、血液の流れが悪くなりやすいこと。
さらに重力も関係して水分がたまりやすいことから、体の中でもむくみやすい部分なのです。
立ちっぱなしの仕事や、一日中デスクワークの人も股関節や膝が曲がったまま同じ姿勢をしていると血液やリンパの巡りが悪くなって足に老廃物がたまりやすくなりむくんでしまうのです。
心臓から送り出された血液は下半身の筋肉の収縮によって上半身へと戻されるので、足の筋肉は血液を循環させるポンプの作用があります。
しかし、運動不足や加齢によって足の筋力が低下してくると、血液が上手く循環できなくなって、血液中の水分が停滞しむくみが起こってしまうパターンもあります。
そのほかにも塩分の摂り過ぎや、ホルモンバランスの乱れ、自律神経の乱れから血液循環が悪くなり、むくみが引き起こされる場合もあります。
このような足のむくみの緩和や予防も踵を整えれば改善可能です。
踵が整うことで歩く姿勢、足の筋ポンプが改善し血流が良くなり、リンパの流れが良くなるからです。
肩こり・頭痛も改善
肩こり・頭痛の原因も様々ですが、やはり体の歪みが原因となっている場合も少なくありません。
・悪い姿勢
・長時間の同じ姿勢の維持や目の疲れ
・運動不足
・ストレス
などが大きな要因となります。
悪い姿勢が肩こりを引き起こすのは私たちの頭の重さが関係しています。
人の頭の重さは4キロから6キロあると言われていますが、姿勢が悪いとこの重さを無理に支えることになるため首、肩周りの筋肉に大きな負担をかけてしまいます。
頭痛の中でも多く見られる緊張型頭痛は同じように首肩周りの筋肉のコリが大きく影響しています。
踵の歪みを整えて姿勢が改善すると、踵から頭にかけて繋がっている歪みが解消され、血流も良くなり、首肩周りの筋肉がほぐれやすくなります。
その結果、肩こり・頭痛は改善方向へと向かうことになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
踵の歪みがいかに体に影響を及ぼすかをお伝えさせて頂きました。
足は家で言えば基礎の土台であって、そこが歪んでいれば2階から上は真っすぐでいることが出来ません。
それだけではなく、足は第2の心臓と呼ばれるように血液還流にも大きく貢献しているので、自律神経の問題とも大きく関わってきますので健康に寄与する割合が高いのです。
靴も使い古して形が崩れていれば新しくするなど、足回りの環境を見直すきっかけになって頂ければと思います。